
縄噛みちぎり、狙い定め、どこまでもいけ。(朝ドラ『虎に翼』100年先のTVにて出会い )

100年経ってこれか、とよねが云い、いや正確には95年ばかりと寅子が応えるや、そんな事はわかっているとよねが被せ。
頭の中で、ふたりのそんな会話が交わされているようで。
人間の権利は法によって定められているが、それを悪用濫用することがあってはならない
その手に取り戻せしは形見の着物。
ささやかな勝利ひとつ。何故これほどまでに、あの人に負担を強いねばならぬのか。男性が異常に力を持つ社会。女性が「無能力者」などと定義付けられる社会。男性が男性であるというだけで、学ぶ女性に好奇の視線を向ける男性たち。
寅子(ともこ)と数秒すれ違う少女の思い詰めた表情。彼女の姿がその後描かれる事は決して、ない。けれどもその姿の向こう側に見えてくる物語がちゃんと感じられて。(このドラマには、モブキャラがいない)
出て行くよねを寅子が追いかけていく場面。皆が驚く顔を浮かべる間に飛び出していく。何故か、それは寅子にも説明は出来ないかもしれない、けれども、説明している場合ではない、よねを追いかけないという選択は寅子にはなかった。寅子の切実さが100年先の時を超え、性別までも超えて、頭の中に入り込んでくる。
こんな滾る朝ドラいままであったか。
100年先の地獄の先の春に、なんとかしてみろと、よねは苛立ち。
この地獄の作り手は男(わたし)だ。
Posted by
にいさん
at
2024年04月12日
21:14