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上原正三 著【キジムナーKids】を読みました。
http://haruniy.ti-da.net/e10589992.html
(↑こちらの【本もあい】でも紹介しました。)
自分にとって上原正三さんは特別な作家さんです。御存命の作家さんの中では 春樹さんと並び 最も思い入れの強い作家さんかもしれません。
幼い頃から上原正三さんの描く物語に夢中になって育った人間として、この新作小説【キジムナーKids】は読み逃せない一冊でした。
そしてまたひとつ。自分にとって大切な物語が増えました。
幼い頃に沖縄戦を経験した正三さんが、沖縄戦の戦禍をくぐり抜けてきた少年たちを主人公にしたストーリーを描きました。主人公のハナー、リーダー格のハブジロー、砲弾の炸裂により右腕前腕がないヒーヒラー(屁こき屋)のポーポー、戦時中のあるショッキングな体験から人の言葉を喋らなくなってしまったベーグァー。そしてもうひとり、基地の中を出入りし何でも知っている謎の少年サンデー。彼らの冒険の物語。
彼らをはじめ、登場人物ひとりひとりのバックグラウンドがあまりにも壮絶で、言葉を失う(チームのひとりベーグァーは事実 人の言葉を話せなくなってしまった。まるで死んだメェ助が乗り移ったかのようにヤギの鳴き声しか発さなくなってしまった・・)そんな絶望の中で、この登場人物たちの「明るさ」は何だ?
こんな暗闇の中にあって・・
何故 人は笑顔をつくるのか?
何故 歌を歌うのか?
何故 踊るのか?
何故 夢を見るのか?
失ったものは取り戻せないのに。
それでも光の射す方へ向いて生きることの意味とは?
かつて「命のお祝い」に勇気付けられた人たちの姿が、その熱気が伝わってきた時、思わず本を置いてしまった。
最近 涙もろくていけない(笑)
しかし何より嬉しいのは、
また自分の手許に-かつてはブラウン管で、今度は本の形で・・
上原正三が 帰ってきた!
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Posted by
にいさん
at
2018年07月08日
21:25