にいさんの しらしんけん☆

島ないちゃーの劇団員。上村洋さん 通称にいさんのブログ。
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映画『ゴジラvsコング 新たなる帝国』

映画『ゴジラvsコング 新たなる帝国』



 具体的な展開におけるネタバレには気をつけますが、いくつか込み入ったドラマ部分には触れます。これから真っさらな状態でご覧になりたい方は読まないことをお勧めします。



 ストーリー上、人間サイドの主人公はアイリーンという事になるのだろうけれど、

 私にとって、これは「ジアの物語」でした。

 そして、ジアと、もうひとり、共感のようなものを感じたのが、バーニーかな。



 人間の世界は意外と生きづらいわけで。ここは自分の居る場所じゃない、誰も私の事を理解出来ない。私の故郷はここじゃない。そばに愛情が無いわけじゃないんだけれど、うまく噛み合わないこの思い?母もまた悩ましいわけで。親の気持ちは、まだ経験した事がないからうまく言えないけれど。


 怪獣や神秘が大好きなまま大人になると必ずや浴びる洗礼?「まだ怪獣なんて」「信じられない」などと言われるのなら、まだましな方で、多くの場合、無視されて、居ないことにされて。しかしそれでもなお何かに夢中になって生きている人間というのは、尊い。


 そんな人たちを「世界」と繋げてくれたのは、大怪獣や神秘的な世界。(マニアックとかオタクとか色んな呼び名で処理されてきたような)そのような生きづらさの救いこそがコングでありゴジラであり。では、モナークは……意外と大人な社会だったりして。むしろこちらを邪魔者扱いですか。しかし、現実的で余裕の無い大人は、神秘の前では真っ先に犠牲になるのだ。(それは映画の世界のお約束だ。悪く思うな)

 現実が難しい人間には神秘の世界は寛容なのだ(多分)。

 神秘と心通わせる人、それを信じる人が大人になれない社会というのは、窮屈な世界だと改めて思う。

 (我々観客にとって、映画というのは、時にはちょっとした冒険であり、ちょっとした神秘であると思いつつ。そんな…)

 冒険を共にした最後に、

 ジアがアイリーンに対して「あなたが私の故郷」だと言った時に、思わず涙が出ちゃって。まさか、泣かされるとは思わなかったから。

 異なる世界を結びつける力を持つ者に、おそらくは誰しもがなり得るはずで。自らが繋げる者であったり、又は、その力を理解する者。存在を信じる者。

 これは、他者と結び付く物語で。そして、人間も怪獣も、居場所(故郷)を見つける物語だった。



 うん。モンスター・バースは、ひとまず落ち着く場所に落ち着いたという事で、良いんじゃないかな。





 (ゴジラとコング。そして新たな強敵とのモンスターバトルや映像表現については、またいつか改めて別の機会にでも)

 


Posted by にいさん at 2024年05月04日   20:43