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生きてさえいれば、人は前進できる。 太田愛 著【犯罪者】上下巻読了。
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↑こちらは太田愛 著【天上の葦】今最も人に勧めている本です。
傑作【天上の葦】を読んで、その「前日譚」というかシリーズ一作目である【犯罪者】も購入し、一気に読んでしまいました。
(以下、具体的なネタバレには気をつけながら書いていきます。)
古代の皇帝の名を持つ「巨人」に「悪魔」が囁く。
世の中には2種類の人間がいる と。
有能な人間と
そうでない人間
有能な人間が社会の枠組みをつくり
経済を動かし
そうでない人間は歯車として単純な労働に従事すればいい
あそこに映る人間たちを見ろ
のろまなで貧乏くさい顔
醜い皺の老人
貧相な犬と同程度の知能しかなさそうな男
二流大学にでも通って遊び呆けていそうな小娘
そして、なんだあの ろくに教育も受けてなさそうな茶髪の労務者は。十代ですでに人生の敗残者となったような・・
と 奴 は彼らの「人間としての価値」を決め付け、自分こそは「選ばれた人間」として『裁き』をくだそうというのか。
「悪魔」はそんな-己を巨人と勘違いした男の愚かさも承知の上でそそのかす。
そして男はその「ろくに教育も受けていないであろう人生の敗残者の茶髪」に噛み付かれることになるとは?
いいばぁやさ。(ざまーみろ( ゚д゚) )
と、わかりやすくなるといいんだけど・・
巨大な力は容赦なく襲ってくるわけで、
殺戮、陰謀、証拠隠滅。
そして 最強の「仕事人」の暗躍。
(読みながら、第一作目のターミネーターを思い出していた。)
権力と巨大組織が合わさると、どんなに賢くても、勇敢でも、立ち向かう個の力があったとしても、簡単に「巨人」には踏み潰されてしまう?
市民の共同には まさかの別の匿名の「市民」からの攻撃が・・
でもやるんだよ!
そんな時って(さすがにここまで命懸けじゃないけどさ( ゚д゚))多かれ少なかれ、あるよね。
この話しって、
今、ひとりで闘っている人
ひとりで苦しんでいる人
そんな人に勧めたい
そんな事を思いました。
世の中は暗黒?
だけじゃない。
鍵を握る「佐々木邦夫」とは何者か?
私だ。
否。
今風の流儀に倣えば
「佐々木邦夫は私だ」
というボードを掲げて街を歩きたくなる小説でした(笑)
そしてこの作者はやっぱり、子どものそばにいる人。孤独や苦しみの中にある人のそばにある人だと改めて認識しました。
(さわりのあらすじ)
それは京王線の深大寺駅にて。
午後の平和な駅前の噴水広場で。主人公の繁藤修司は気になる女の子から呼び出されて広場の石椅子に腰掛けていました。
約束の2時になってもその子は現れない。(遅刻か?)
修司と同じく周りには待ち合わせらしき人たちが。
もうひとり女の子がその広場にやってきたその時
突如・・
「黒衣の怪人」が現れたのです
黒いフルフェイスのヘルメットに黒いコート、黒いブーツ
全身が漆黒の怪人
(主人公・修司の目にはダースベイダー!?と映る)
「黒い男」は出刃包丁を取り出し まさに修司の目の前で4人の人間が次々と刺殺されてしまうのです。
次は修司が(!)駆け付けた警官を見て刃物を手放し逃げる怪人。(警官は背後から武器を持たない人間を撃つことは出来ない)
深傷を負いながら生き延びた修司は、搬送先の病院で、いきなり謎の男が現れて「逃げろ!あと10日生き延びれば助かる!」と謎の警告を受けるのです。
行きがかり上修司を匿うことになる「はぐれ刑事」相馬が頼ったのは、5年ぶりに会う友人。博覧強記の男・鑓水七雄だった。
生きろ!死ぬな!そして、あんたも俺も ひとりじゃない!
俺も 佐々木邦夫だ!そう思った一冊・・いや、上下巻の2冊でした(笑)
昔、希望というのは深い絶望の中から生まれるものだ と教えてくれた人がいました。そんな事を思い出しながら読んでいました。
生きてさえいれば、こんな自分でも前進できるかな。
今まさに読んで!な【天上の葦】から読むか、修司があの2人に出会うこのシリーズ第一作【犯罪者】から読むか。
どちらもアリな気がします。
そして、なんといっても、
面白いからっ!
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Posted by
にいさん
at
2020年01月21日
09:47