にいさんの しらしんけん☆

島ないちゃーの劇団員。上村洋さん 通称にいさんのブログ。
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第23回沖縄式読書会を開催しました。

第23回沖縄式読書会を開催しました。
第23回沖縄式読書会を開催しました。



 これが23回目となる別府市での「沖縄式読書会」は、今年最初のyoiyaさんで。(いつもありがとうございます!)

 今回は、初参加のおふたり(以前よりお声掛けさせてもらっていました地元の尊厳する先輩方)と、3人での読書会でした。いつにも増して、地元大分と沖縄についての、土地にまつわる濃い話題が広がりまして、本当にあっという間の2時間でした。

 前半の紹介本のコーナー(最近読んだ本など)。

 寺司勝次郎『わが蟻の目人生』(遠廻り宜候。大分県で活躍された高名な瓦版画家でらっしゃるのですね。この屋根瓦の風景から見えてくるのは、当時の大分の街並みでしょうか。若き日の予科練における戦争体験は、松下竜一さんのノンフィクション『私兵特攻』にて描かれているそうです。実に興味深い郷土の芸術家さんでした)

 伊藤雄馬『ムラブリ』(ムラブリとは、タイとラオスの間の地域の森に暮らす少数民族の人々。文字も暦も持たず、森の中で狩猟採集社会を形成しながら暮らしているそうです。家は手作りの持ち運び式で?著者は彼らとの出会いを通して自らの生き方について「気付き」を得たそうです。身に付けるものは最小限の生き方。モノもお金も。「持たないという生き方」が問いかけてくるものとは )

 山野井泰史 全記録『CHRONICLE』(世界の断崖絶壁に挑み続けるクライマーの記録。参加者様が、以前Coyoteという雑誌のプレゼントに応募したところ、当選して送られてきたのがこの一冊だそうです。なんと素晴らしい読者プレゼントでしょうか。50代にして、パートナーの妙子さんと共に今も世界の難関の山々に挑む姿は迫力があります)

 雑誌『Coyote』(『CHRONICLE』を手にするきっかけになったというこの雑誌。月刊でも季刊でもなく?年に3回の発売なのですね。そして創刊20周年!?この時代にこれだけ持続できるなんて凄いことですね。人と旅をテーマに、中味の濃い内容を送り続け、熱心な読者が支えているとの事。最新号では(村上春樹読者にもお馴染み)安西水丸さんの特集。これは読みたい!)

 平野(野元)美佐『沖縄の もあい大研究』(模合・もあい-とは、沖縄における相互扶助、助け合いの風習であり、親睦の場であり、「金融」でもあり、時に恐ろしきものでもあり、でも、多くの人たちに今もなお親しまれている「模合」って何?という模合の秘密が詰まった圧巻の一冊。模合の魅力の中に沖縄の景色が見えてもくるという、そんな一冊です)

 松岡考志郎『「那覇へ、別府から。」』(別府市から、沖縄へ通うこと20年。著者の優しさが写真と文章から滲み出る一冊。その不思議な路地は、まるで那覇と別府の風景が重なってくるような不思議な感覚に。青い海と空でイメージされるような、そんなステレオタイプのリゾートとはまるで違う島の魅力が写真を通して迫ってきます。故郷別府市の懐かしさを覚える景色と共に)

 
 そして今回のプレゼント本はこちら。

 松岡考志郎『道端』(なんと、紹介本であげられた『「那覇へ、別府から。」』の著者による、第一弾の御著書。「那覇へ……」は「道端 南島行」という副題が付いている通り、この『道端』の続き、という位置付けとの事で。音楽活動も続けてこられた著者が、CDを出すか、それとも詩や思いを文章として表現するかとなった際に、著者が選んだのは後者でした。著者・松岡さんの歩いた道には、そこではどんな景色が見えたのでしょうか )

 ↑ANDO GALLERYの上等な手帳も一緒にプレゼントに添えてくださいました。めっちゃ欲しくなる手帳(笑)

 NHKブラタモリ制作班『ブラタモリ別府・神戸・奄美編』(おおー、ブラタモリ遂に来ましたね!別府市の前後編は放送当時私も(その頃に住んでいた)那覇市の自宅で見ました。個人的には、楠町の境川の暗渠が登場したくだりは、番組史上最高に興奮いたしました(マニアック過ぎて、多分私だけかもしれません)選んでくれた参加者様はなんとその放送の際にお手伝いもされたとの事。別府の歴史に詳しいメンバーさんならではの選書でした)

 上村洋『劇団員 南へ』(恥ずかしながら、読書会主催者による一冊を。おそらく最初で最後の選書かもしれません。沖縄に精通した参加者様がおられた事から、きっとこの本ならば絶対に持ってはいないはず-と今回は勇気を持って?選ばせていただきました。沖縄で暮らした約10年と少しの時間。その間に体験した事、思った事を、自分なりに文章として記録しておきたかった一冊でした)

 初参加のおふたり。それぞれ、別府市と沖縄について詳しいおふたりと、実に濃密な対話が刺激的でした。これからもどうかよろしくお願いいたします!

 


Posted by にいさん at 2024年03月24日   22:21