にいさんの しらしんけん☆

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大沢在昌【鮫島の貌】新宿鮫短編集


https://haruniy.ti-da.net/e11337937.html

↑最近読んだ本から。


(ネタバレは気を付けながら書けとドラゴンからの伝言だ。また鮫が嗅ぎ回ってるらしい。しくじった時には、もう電話はこない。それだけだ。ドラゴンに認められたければ、ネタバレせずに記事を書け- だと。
ヽ(´ー`) )



20代の頃【新宿鮫】という小説に夢中になりました。

新宿署で孤高を貫く刑事・鮫島。いわゆるキャリア組の中でも抜群に優秀な警察官であったはずの彼が、ある警察内部の抗争に巻き込まれ(まるで堕天使の如く?)飛ばされた先は、なんの因果か「眠らない街」新宿の警察署。そこで一刑事として働き続けることに。(階級は警部だが。新宿署の一刑事に。)普通、刑事は組で捜査をするが、鮫島はいつもひとり。誰も寄り付かない。鮫のように音もなく獲物に接近し、そして「噛む」。業界の暗黙のルールやしきたりもお構いなしで街の犯罪者をしょっ引いてくる彼を恐れたのは街の犯罪者たちだけではなかった。同業者からも畏怖され?遠ざけられ、常に孤立する彼はひたすらヤバい事件に身を投じていく。

相手は世界最強の暗殺者や改造銃の天才、毒殺のプロフェッショナルに外国人犯罪組織を裏で操る謎の男。ヤバすぎる奴ばかり。時には、『これ、どっちかって言うと「ヒーロー案件じゃね?( ゚д゚)?」』っていう感じ。(笑)

静かな犯罪捜査劇から「今度は戦争だ!」という話しや必殺仕事人かよ?というものまで(笑)話しのバリエーションも毎回趣向を凝らしていて「次はどう来る?」という期待でワクワクさせられるんです。


この作品がきっかけで、大沢在昌の作品を貪るように読んでいた時期がありました。

【新宿鮫】シリーズは【風化水脈】まで読んで、しばらく「もう新作は出ないのかな?」と思っていたら、なんと2006年に【狼花】が出版されて、ちょっと経ってから購入したのですが、積ん読状態のまま10年近くが経過し・・(笑)先日やっと読もうと思って本棚を探ったところが(引越しの時にどっかに紛れたんだと思います)紛失してしまっている事が判明(汗)結局今日まで【風化水脈】から約20年(!)鮫島から遠ざかっていたという・・

それで先日(探し続けるのも難儀だと思い・・)また買って読むかと思って本屋さんで手に取ったのがこれです。

【鮫島の貌(かお)】

新宿鮫のスピンオフか!

短編集なのだが、なんと驚愕の共演者が・・

冴羽獠。

両津勘吉。



作者も作風も何から何まで違うじゃなぃかっ(≧∀≦)(笑)

鮫島と彼らがどう絡むのかは読んでのお楽しみです(^_^)

なかなかしっかりと新宿鮫の世界に落とし込んでいて、彼らのファンをも裏切らないつくりになってて感心しましたよ。

先に書いたように短編であっても一作一作が趣向を凝らしていて話しのバリエーションも多彩。タイトルの通り、鮫島の様々な顔が見られる新鮮なエピソードが詰まっています。

まるで、大人の絵本の読後感みたい。

ハードボイルドなのに。

新宿鮫なのに。

ほっこりした(笑)



新宿鮫とはそうだよな。こんな作品だったよな。と思いながら、今の-47になる-自分として改めて作品に接してみた時に考えさせられたこともあります。

(実際の警察組織の内情は知りませんが)組織が腐っていく中で、社会も(第一作からは)目まぐるしく変化していく中で、そこで「自分」を保ち闘い続けていくことの意味について。それは小説の中だけではない事柄。人間は、急激な変化や相入れないやり取りを繰り返していく中でなにがしかの変容を余儀なくされたり妥協したり、あきらめたり、そんな事が多かれ少なかれあるような気もしています。

これはそこで決して「自分」を曲げない、妥協しない男の物語。

眠らない街で疲弊し、自分を見失いそうになった時、窮地に陥った時には、あ、今はもう XYZと書き込む掲示板はないのか?

じゃあ、新宿署を訪ねるといい。もしくは本屋さんの光文社文庫の「お」の棚を探るといい。

今も「あの時と」変わらない姿で犯罪を追い続ける男がいるはずだ。


それから、最近広まってる都市伝説のドラゴンの噂には 気を付けろ。





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Posted by にいさん at 2019年11月29日   22:47