にいさんの しらしんけん☆

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新城和博『来年の今ごろは』(ナマやさ!)

新城和博『来年の今ごろは』(ナマやさ!)



 先月の沖縄旅にて購入したうちの一冊。新城和博さんの『来年の今ごろは ぼくの沖縄〈お出かけ〉歳時記』を読みました。


 来年の今頃は……と著者は書き、今じゃん!?と我気づく

 本書が出版されたのは、ほぼ1年前でありますが、ここに書かれてある情景は、まさに私が沖縄を離れてからの数年間と、コロナ禍に突入し、今日(去年の今)に至るまでの沖縄でした。

 先月久しぶりに沖縄を訪れた時には、もはや自分が暮らしていた頃の沖縄の景色が(あちこちで)変わっていた。その「変わりゆく景色」を克明に、その最後の時間をも記憶に(言葉に)遺してくれた著者。

 農連市場にしろ、牧志の公設市場にしろ、所謂「古き良き景観」がなくなってしまう時、それが新しいものにとって変わって?しまう時(私自身もそこはウチアタイしつつ)どうしてもネガティブな声があがってくる事があります。気持ちわかるところあるし、自分も過去に色々言ってた気がするし、思うところも無いわけではないけれども、でもでも、そこには今も暮らす地元の人がいるわけで。何よりそこで生きてる地元の人の生活が一番やん?って今では思うようになってきたのだけれど。その変わりゆく「今の沖縄」(主に那覇)について、著者は興味深く観察を重ねていくのであります。そこが、とにかく新鮮でたまりませんでした。

 その路地を抜けると(まるで私が今暮らす別府市の景色とも重なり合いながら!)異国、台南のすーじ小に行き着いて?そこを過ぎるとまた那覇市の小径に抜け出てきたような。読み手を心地好く迷子にさせるというか。旅先で道に迷う楽しさというか(迷う恐さ、以上に楽しさが?)いかん、また旅に出たくなってしまう。


 そんな、一冊丸ごと絶えず歩き回っていた著者が、コロナ禍によって遠くへお出かけ出来なくなってしまう。それでもなお、近場の景色を焼き付けていくのです。そうか(自分もあれは見て感動した事があった)首里の旗頭行列の中止が続いていた事。那覇の大綱挽での出来事。やっぱり気になる市場の今。断層。暗渠。隠れていた橋!?土地の歴史。。。これは、ブラシンジョーさんですね。

 この一冊も、たまんないっすわ。

 沖縄好きの友人、知人には絶対的に薦めたい一冊。

 是非読んでみてくださいね。




 追伸。新城さんの遠い御親戚の話し、まじでびっくりして、読みながら「エッ!」って声が出ましたよ(笑)

 


Posted by にいさん at 2024年04月24日   21:02