にいさんの しらしんけん☆

島ないちゃーの劇団員。上村洋さん 通称にいさんのブログ。
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かこさとし著【未来のだるまちゃんへ】






https://haruniy.ti-da.net/e11759479.html

↑先日の『沖縄式読書会』レポート。


先日別府市で行った『沖縄式読書会』で参加者の方からいただいた一冊☆素晴らしいプレゼントでした(≧∀≦)嬉しい✨✨(沖縄式読書会では、会の後半に互いが持ち寄った本のプレゼント交換を行なっているのです(=゚ω゚)ノ♪)

自分にとって、かこさとしさんと言えば「どろぼうがっこうを書いた作家さん」。【どろぼう学校】の絵本はこどもの頃に読んでお気に入りの絵本でした♪

この【未来のだるまちゃんへ】には、こどもたちへ向けての眼差しと共に(かつての読者である)大人たちにも向けられた かこさんの言葉が紡がれています。

かこさんは、こども時代から10代いっぱいの時間を戦争によって深く傷付けられた-そんな痛みの記憶を胸に、戦後は会社員を120%、紙芝居・絵本作家を120%、社会活動も120%で「掛け持ち」するという(驚)馬力も才能も桁外れの豪快な かこさんだからこそ語れる部分もあるかもしれませんが(笑)しかし生身の人間たち(特にこども達)との学び合いの中で獲得してきた言葉には説得力を感じさせられるものがありました。(しかし、このかけ持ちのレベルはあまりにも超人レベルである・・(笑))


特に興味深く読ませてもらったのが一連の「かがくえほん」シリーズ執筆のくだり。「川」とはどんなものか?川が流れ込む先の「海」とは?「地球」とは?「宇宙」とは?そのひとつひとつの主題を専門の学者さんの話しを丁寧に聴きに行き、現場に足を運んで(さすがに宇宙には行けなさそうですが^_^)そして大評判だったという「ダムではたらくおとうさん」の話しの影響によってなのか、『さる筋から僕のところに「子ども向けに原発がいかにいいものかを描いてくれ」という依頼が3回にわたってきたことも』(本文より)あったそうです。かこさんは御自身の勤めていた会社が原発に関わる重水を製造していた関係もあり、以前にも原子力について『勉強はしていた』そうなのですが、『核燃料廃棄物の高額の処理費用をどうするのか。万一の事故の時にどうするのか。調べても、どこにも何も書かれていない。なぜこんな重要なデータがどこにもないのか。これが未解決なのに「水力発電に対抗できる」と断言するのは』(本文より)おかしいと思っていたそうです。

なので『さる筋』からの依頼に対し、かこさんは『喜んでお手伝いします。ただ、それには知りたいデータがあるので』そのデータを下さるのなら-とお返事したところ・・それっきり、『さる筋』の人からは、なしのつぶてだったそうです。

そんなふうに、お金になるからといって安易に旨い話しには乗らない、こどもたちに届けるものはいい加減なものであってはいけない。こどもたちは(うわべは行儀のいい大人とは違って)正直で厳しい目を持った相手だとする そんな かこさんの姿勢は、私にとっても、過去の職業において大事な教えとして叩き込まれてきた事と通じるものを感じました。

大いなる共感と驚きと面白さに溢れた愛ある一冊です!




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Posted by にいさん at 2020年12月26日   10:20