にいさんの しらしんけん☆

島ないちゃーの劇団員。上村洋さん 通称にいさんのブログ。
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2024年最初の『沖縄式読書会』はゲンシシャで!

2024年最初の『沖縄式読書会』はゲンシシャで!
2024年最初の『沖縄式読書会』はゲンシシャで!




 今年最初の『沖縄式読書会』は(今回で第22回目に)久しぶりの書肆ゲンシシャさんで行いました!

 ゲンシシャでの開催っていつ以来だろうと記録を見てみたら、なんと2021年の12月以来でした。丸々2年間、間が空いてしまっていたのですね。(個人としては何度も来ていたので、驚きました……)

 今回は3名の参加者での読書会に。こんな特別な空間で3人で本の話しとは、なんとも贅沢というか、いつにも増してより一層濃ゆい回になったように思います。

 さて、そんな久々のゲンシシャさんでの『沖縄式読書会』集まったタイトルはこちらです。

 小口尚子、福岡鮎美『子どもによる子どものための「子どもの権利条約」』(95年に出版されたこちらの一冊。なんと著者はふたりとも当時まだ中学生だったとの事。子どもたち自身の言葉による「子どもの権利条約」の日本語訳。そこに大人による翻訳文と英語の原文とが合わせて掲載されています。日本も批准しているこの条約。恥ずかしい話し、国連の〈子どもの権利委員会〉からは日本における条約の実施状況について、繰り返し厳しい(そして多岐にわたる)勧告を受けていて、是非この国の政府の人たちにも読ませたい本ですね、などと盛り上がってしまいました)

 フェルナンダ・メルチョール『ハリケーンの季節』(メキシコ文学は初登場でしょうか?実話を基にした小説。メキシコのとある村で「魔女が殺された」という事件を巡って、そこに居合わせた様々な人たちの証言を聴いていくうちに、事件の真相が浮かび上がってくるという構成。著者は、かつてノーベル賞まで手にしたという南米の大物作家が「文学にフェミニズムはいらない」などという言葉を放ったことへ強い反発を抱いたそうです。この作品自体は、その「発言」よりも前に出されたそうですが、見事に「いらない発言」へのカウンターとしての力漲る一冊のようです)

 南島地名研究センター編『南島の地名を歩く』(主催者より、今回の沖縄関連本として紹介させていただいた一冊。沖縄の地名って面白い!!大工廻、なかんだかり(←変換出来ず)、馬歯山、波照間、なんだなんだ?北がニシ?沖縄ならではの地名の話しはとにかく面白い!参加者様に「保栄茂」の読み方クイズをすると、びっくり仰天していただけました(笑)沖縄・琉球の言葉とは、実に奥深いものなのです)


 そして今回プレゼント本で集まったのはこちら。

 ノーラ・エレン・グロース『みんなが手話で話した島』(文化人類学者によるフィールドワークを基にした傑作ノンフィクション。「あの人たちにハンディキャップなんてなかったですよ。ただ聾というだけでした」とは帯のことばより。アメリカのマザーズ・ヴィンヤード島では、20世紀初頭までは島民の大半が聴覚にしょう害を抱え、手話による会話が公用語であったというのです。それは、聞こえる聞こえないに関わりなく。障がいとは?ハンディとは?「マイノリティとはいつか立場が反転し得るものである」という会話が実際に起きていたという実話です)

 Art.31『ワニブタカレンダー2024』(私もお部屋にかかっておりますワニブタカレンダー!「子どもの権利条約国連採択35周年、国会批准30周年と銘打たれた今年のワニブタカレンダー。表紙には第31条が。「子どもには じゅうぶんな休みと 自由にすごす時間が必要で、子どもにとって遊びは奪われてはならない大切なものであり、子どもは豊かな文化の中で生活し、芸術に自由に参加できるようにすると、日本は世界の人々に約束した。」〈Art.31訳〉と、あります。大人の人たちにも毎日読んで欲しい、そんなカレンダーでございます)

 川越宗一『熱源』(今回主催者からのプレゼントに選んだのはこちらの一冊。舞台は樺太。アイヌの民と、彼らを見詰めるポーランド人の青年。そこはもうひとつの故郷というか、熱源だった。「文明」なるものに暴力的に侵蝕されていく先住民たち。「滅びてよい文化などない。支配されるべき民族などいない。」そう言い続けなければならない世界が、100年以上過ぎた今もなお?と、言いたくなります)


 今回と次回の(別府市での)『沖縄式読書会』に集まった皆様からのカンパは、能登半島地震の被災地への募金として、別府市役所の窓口へ納めさせていただきます。
 


Posted by にいさん at 2024年02月17日   22:43